地域で選ばれるクリニックになるには?今すぐ実践したいマーケティングの3つの柱

あなたのクリニックは、なぜ患者さんが思うように来院してくれないのでしょうか?
「良い医療を提供しているのに…」「立地も悪くないはずなのに…」そう悩んでいる院長先生は少なくありません。実は、医療の質だけでは患者さんは集まらない時代になっているのです。近隣に新しいクリニックができるたび、患者さんが減っていく恐怖を感じていませんか?このまま何も対策を取らなければ、経営は悪化の一途をたどるかもしれません。
しかし、ご安心ください。地域で愛され、選ばれ続けるクリニックには共通した「マーケティングの仕組み」があるのです。
実際に、この方法を実践したクリニックの多くが、開院から6ヶ月以内に予約が取りにくい人気クリニックへと変貌を遂げています。
本記事では、3つの柱「広告戦略」「口コミ戦略」「紹介戦略」を軸とした、誰でも実践できる具体的な手法をお伝えします。
今日から始められる内容ばかりですので、ぜひ最後までお読みください。あなたのクリニックが地域で最も信頼される医療機関になる道筋が、きっと見えてくるはずです。
クリニックのマーケティング・ミックスとは?地域で選ばれる医療機関になるための完全ガイド
はじめに
クリニック経営において、質の高い医療を提供することは絶対に欠かせない基本中の基本です。しかし、現代では「良い医療を提供していれば自然と患者さんが来てくれる」という時代は終わりました。
なぜなら、患者さんの選択肢が圧倒的に増えているからです。同じ診療科のクリニックが徒歩圏内に複数存在し、患者さんはインターネットで簡単に比較検討できるようになりました。
この激戦区で生き残り、繁栄するためには、戦略的なマーケティングが必要不可欠なのです。
本記事では、クリニックが地域で「見つけられ、選ばれ、信頼される」存在になるための具体的な方法を、「広告」「口コミ」「紹介」の3つの視点から詳しく解説します。
広告戦略:まずは「存在を知ってもらう」ことから始める
クリニックの広告戦略は、地域住民にまず「存在を知ってもらう」ことが最重要です。どんなに素晴らしい医療を提供していても、その存在を知られていなければ意味がありません。
効果的な広告戦略は「鉄広告」「紙広告」「IT広告」の3つの柱で構成されます。
なぜ広告戦略が重要なのでしょうか。
患者さんがクリニックを選ぶプロセスを考えてみましょう。まず「体調が悪い」「健康診断を受けたい」などの需要が生まれます。
次に「どこのクリニックに行こうか」と選択肢を探します。この時、選択肢に入らなければ、そもそも選ばれる可能性はゼロです。
現代の患者さんは、クリニック選びにおいて非常に慎重になっています。インターネットで事前に調べ、口コミをチェックし、ホームページで診療内容を確認してから来院を決めます。
つまり、あらゆるチャネルで情報発信をしていないクリニックは、最初から「見えない存在」として除外されてしまうのです。
また、医療は「必要な時に利用するサービス」という特性があります。日常的に利用するコンビニや飲食店とは異なり、健康な時にはクリニックのことを考えません。だからこそ、いざという時に思い出してもらえるよう、日頃から継続的に認知度を高めておく必要があるのです。
鉄広告(オフラインでの視認性アップ)
鉄広告は、物理的な看板や広告によって通行人や地域住民の目に触れる機会を増やす手法です。デジタル化が進む現代でも、アナログな広告の効果は絶大です。
建物看板は、クリニックの「顔」と言える最重要の広告ツールです。遠くからでも見えるよう、文字のサイズや色使いにこだわりましょう。特に夜間の視認性を高めるため、LED照明付きの看板を設置することをお勧めします。
看板には診療科目、診療時間、電話番号を分かりやすく表示し、緊急時でも必要な情報がすぐに分かるようにしましょう。
電柱広告は、近隣住民への認知度向上に非常に効果的です。毎日同じ道を通る住民にとって、電柱広告は自然と目に入り、記憶に定着します。
設置場所は、住宅街から駅やバス停への主要ルート、学校や商業施設の周辺など、人通りの多い場所を選びましょう。複数の電柱広告を戦略的に配置することで、より高い認知効果が期待できます。
駅・バス広告は、通勤通学者層への効果的なアプローチ方法です。電車内の中吊り広告や車内アナウンス、バス停の待合スペースの広告などが代表例です。特に朝の通勤時間帯は、多くの人が広告に注目します。
健康に関する情報や予防医療の重要性を訴求することで、潜在的な患者層にアプローチできます。
野立て看板は、車での移動が多い地域で特に効果を発揮します。幹線道路沿いや大型駐車場の近くに設置することで、広域からの患者獲得が期待できます。
ただし、設置には自治体の許可が必要な場合が多いため、事前に確認することが重要です。
紙広告(来院患者や待合室での情報発信)
紙媒体の広告は、手に取って読めるという特性から、患者さんに安心感を与えます。また、じっくりと情報を読んでもらえるため、詳細な情報伝達に適しています。
クリニックカードは、診療時間、休診日、地図、電話番号などの基本情報をコンパクトにまとめた便利ツールです。初診の患者さんに渡すことで、次回予約の際に役立ちます。
財布に入るサイズで作成し、裏面には簡単な診療内容や特徴を記載しましょう。
院内パンフレットでは、院長の経歴、診療方針、設備紹介、よくある質問などを詳しく説明できます。待合室に置いておくことで、診察までの時間を有効活用してもらえます。写真を多用し、温かみのあるデザインにすることで、クリニックの雰囲気を伝えることができます。
疾患別パンフレットは、患者教育と家族への情報共有に非常に効果的です。例えば、糖尿病、高血圧、風邪の予防など、よくある疾患について分かりやすく解説したパンフレットを用意しましょう。
患者さんが家族に病気の説明をする際にも役立ちます。
院内報は、定期的に発行することで患者さんとの継続的なコミュニケーションを図れます。院長の健康コラム、季節の健康情報、スタッフ紹介、クリニックのお知らせなどを掲載しましょう。月刊または季刊で発行し、待合室に置くだけでなく、希望者には持ち帰ってもらえるようにします。
IT広告(検索され、選ばれる時代の必須戦略)
現代の患者さんの多くは、スマートフォンを使ってクリニックを探します。IT広告は、もはやクリニック経営における必須要素と言えるでしょう。
ホームページは、クリニックの「デジタルな顔」です。24時間365日、患者さんに情報を提供し続ける重要なツールです。
スマートフォン対応は必須で、読み込み速度も重要な要素です。診療内容、院長紹介、アクセス情報、診療時間などの基本情報はもちろん、オンライン予約システムがあれば導線を分かりやすく設計しましょう。
SEO対策も重要で、地域名と診療科目を組み合わせたキーワードで上位表示を目指します。
クリニック検索サイトへの掲載も効果的です。Googleマップ、EPARK、ドクターズファイルなど、患者さんがよく利用するサイトに積極的に登録しましょう。
口コミ機能があるサイトでは、良い口コミを増やすための工夫も必要です。写真や動画も積極的に掲載し、クリニックの雰囲気を伝えましょう。
ブログは、継続的な情報発信によってSEO効果を高めるとともに、患者さんとの関係性を深めるツールです。
疾患解説、季節の健康情報、院内イベントの報告、健康レシピの紹介など、患者さんの役に立つ情報を定期的に発信しましょう。専門的な内容も、小学生でも理解できるような分かりやすい表現で書くことが重要です。
**SNS(Facebook・X・YouTube)**は、より親近感のある情報発信ができるツールです。
特にYouTubeでの動画配信は、院長の人柄やクリニックの雰囲気を効果的に伝えることができます。
診療風景(プライバシーに配慮した形で)、健康情報の解説動画、院内ツアーなどのコンテンツが効果的です。
【まとめ】 広告戦略は、クリニックの存在を地域に知ってもらうための第一歩です。
鉄広告で物理的な認知度を高め、紙広告で詳細な情報を伝え、IT広告でデジタル時代の患者ニーズに応える。
この3つの手法を組み合わせることで、幅広い年齢層の患者さんにリーチできるのです。
私自身は開業コンサルティングの他、社会保険労務士と行政書士の資格を有しており、顧問社労士のほかにも、開業支援の経験と調剤薬局経営の経験をもとにクリニック経営でお悩みの院長をサポートし、安定的な経営を支援するためのクリニック経営参謀型コンサルティングもしております。